人目が気になる、どうすればいい?

友達から「人に批判されていないか、どう思われるか気にしてしまう、どうすればいいのか?」

と相談を受けました。

1.どういう行動をすれば、人に批判されないのか?

2.どんな人なら、人に批判されないのか?

3.どうして人は批判したくなるのか?

4.どうすればいいのか?

の順番で話した内容を書きます。

 

1.どういう行動をすれば、人に批判されないのか?

それはイソップ童話の「ロバの親子」から学べます。

 

ある村に、人から批判されるのが怖くて外に出たがらない子供がいました。

賢い父親は、「人からの批判を怖がる必要はない。明日から、5日間市場に行けば、その理由がわかる」と言い、親子はロバと一緒に市場に出かけることになりました。

 

1日目、父親はロバに乗り、息子は歩いて市場に向かいました。

それを見た人たちは、子供を歩かせて、ひどい父親だと言いまいた。

 

2日目、息子がロバに乗り、父親は歩いて市場に向かいました。

それを見た人たちは、父親を歩かせて、ひどい息子だと言いました。

 

3日目、父親と息子がロバに乗り、市場に向かいました。

それを見た人たちは、ロバが重そうにして可哀想、ひどい親子だと言いました。

 

4日目、父親も息子もロバに乗らずに、市場に向かいました。

それを見た人たちは、ロバの使い方がわからないのかと笑いました。

 

ロバに乗っても乗らなくても、批判される、どうすればいいのか?

他に方法があるのか?

賢い父親は他の方法を知っていました。

 

5日目、父親と息子は、ロバを背負って市場に向かいました。

それを見た人たちは、大笑いしました。

 

笑われながら父親は「これでわかったか?どんな行動をしても批判されるんだ。人目を気にする必要はない。」と言いました。

 

2.どんな人なら、人に批判されないのか?

3人の話をします。

 

・英雄

フランスの英雄ナポレオンが民衆に喝采を受けている時、

部下が「閣下、あの民衆の称賛をごらんください」といいました。

すると、ナポレオンは「民衆の称賛ほど当てにならぬものはない。ひとたび戦争に負けると、私を断頭台に送れと言うのだから」と言いました。

 

・治療者

10人の病人が、治療者に助けを求め、治療者は10人を治療しました。

翌日、病気が治り、1人が治療者に感謝しました。

治療者は、「治療したのは10人ではなかったのか?」と言いました。

残りの9人も治っていましたが、感謝せずに立ち去っていました。

 

治療者には弟子がいましたが、そのうち1人に裏切られ、治療者は亡くなってしまいました。

治療者の名はイエス、彼を神だと考える人は大勢います。

 

・インドのお坊さん

当時インドで有名なお坊さんゴータマ・シッダールタ

有名でしたが、三分の一は彼のことを知らず、三分の一は、変な奴が現れたと非難して、あとの三分の一が尊い方だと称賛しました。

彼は後に仏と呼ばれ、仏教を広めました。

彼は、「皆にてほむる人はなく、皆にてそしる人はなし」と言いました。

どんなに立派な人でも、全ての人から好かれることはなく、どんなに嫌われている人でも、全ての人から嫌われることはないという意味です。

誰からもいい人でいることは不可能ですが、逆に、全員から嫌われることもありえません。

 

英雄でも、神でも、仏でも、全ての人から好かれることはできません。

英雄でも、神でも、仏でもない私たちも全ての人から好かれることはできないでしょう。

 

3.どうして人は批判したくなるのか?

進化学と脳科学の観点から説明します。

 

・進化学の観点から

原始時代に自分たちと違う行動をとる仲間は、その集団から抜け出しやすくなり、違う集団に入ることがありました。

そうすると、集団間の争いがあったときに、かつての仲間と戦わないといけなくなります。

だから、自分たちと違う行動をとる仲間をに抵抗を感じるなだろうと考えられています。

 

私達の祖先はみんなで協力しないと生きていけないという過酷な環境で過ごしていました。

そんな中で問題児扱いされたり約立たず扱いされると野たれ死しだり、殺さることがありました。

原始人の頭蓋骨に骨折の後が見つかった骨が多数見つかりました。

これは他人が石などの物体で頭を殴りつけたのが死因でした。

昔の人の死因は飢餓や感染症などよりも、人に殺される原因が最も多く10~15%は殺人が原因だと考えられています。

この恐怖が脳の記憶に刻まれていて、脳のシステムの進化に大きな影響を与えました。

 

脳科学の観点から

私たちの脳内では「絆ホルモン」、「愛情ホルモン」と呼ばれるオキシトシンが分泌されています。

「絆」や「仲間意識」を生み出すオキシトシンというホルモンには、自分たち内集団を守るために、望ましくない意見に排他意思を生み出すこともあります。

出る杭を打ってしまう原因のオキシトシンによる排他意識は日本人に起こりやすく、県外ナンバーの車に嫌がらせをしたり、自粛警察やマスク警察など、相手を尊重する気持ちが少なくなってしまいます。

 

4.どうすればいいのか?

どんな行動をしても、どんな人になっても、相手の視点から望ましくなければ批判される。

そもそも人間は自分と違う考えを批判するように進化している。

では、どうすればいいのか?

大統領夫人のアドバイス、死ぬ瞬間の後悔、批判という向かい風に分けて書きます。

 

ルーズベルト夫人のアドバイス

ルーズベルト大統領は国民のために、この政策を進めよう、

しかし、この政策では国民に批判されてしまうのではないかと悩んでいました。

悩んでいる夫に、ルーズベルト夫人は言いました。

「あなたの心が正しいと思うことをしなさい。どっちにしたって批判されるのだか    

 ら。」エレノア・ルーズベルト

 

・死ぬ瞬間の後悔

「死ぬ瞬間の5つの後悔」という本の著者ブロニー・ウェアさんは数多くの患者を看取りました。

著者によると「自分に正直な人生を生きればよかった」という後悔をする人が多いそうです。

人目を気にして自分らしく生きられないのではなく、自分らしく生きれると後悔が少なくなるのでしょう。

 

文学者のラ・ロシュフコー

「幸福になるのは、自分の好きなものを持っているからであり、

 他人がよいと思うものを持っているからではない」

と言っています。

物だけでなく、人生も自分の好きな道を選ぶと幸福に生きられるかもしれません。

 

しかし、自分らしく生きようとすれば抵抗を感じることもあるでしょう。

・批判という向かい風

アメリカ建築家・芸術家 マヤ・リンは

「飛ぶためには抵抗がなければならない」と言っています。

 

飛行機は向かい風という抵抗がなければ飛べない。

私たちにも批判という、飛び立つために必要な風が吹いている。

だから、批判を歓迎すればいい。

本当にやる気があるのか試してくれていたり、気づかないことに気づかせてくれる大切な存在だと、とらえればいい。

 

僭越ながら、私が人目を気にして行動できなかった話をします。

私が小学生の頃、町内会の集まりがあり、同じ年の子供たちで学校や町内で集まり、町内での連絡事項、お祭りのことなどの話し合いがありました。

 

何故か同じ年の子供は女性が20人以上、男性は自分を含めて3人と男女比が偏っていていて、男3人はお祭りで太鼓を叩いて町内を回ったりなどして仲良くなりました。

車好きの友達は家の向かいに住んでいて、読書好きな友達は家から出て道路を1回曲がったところに住んでいました。

同じ町内だから近くに住んでいます。

 

中学生になっても町内会の集まりはありました。

その頃、読書好きの友達の元気がなかったのですが、私はガシガシ話していくタイプではなく、余計なことを聞いて嫌がられたくなくて、何も聞けませんでした。

普段より元気はなかったのですが、学校では普通にしていて、イジメなどもありません。

 

それから何日かして、読書好きの友達は自分の家で首吊り自殺をしました。

複雑な家庭で悩んでいたようです。

なんで声をかけられなかったんだろう。こんなことになるなら、うるさいと思われるくらいよかったのに。

 

 

あなたならどうしますか?

大切な家族や友達が亡くなってから、どう思われるか気にしたせいで行動できなかったと後悔しますか?

自分が死ぬ瞬間に、人目を気にして好きに行きれなかったと後悔しますか?

 

自分に正直な人生を生きるため一歩踏み出すのか、人目を気にしてロバを背負って生きるか。

あなたの好きな道を選んでください。